
パンガー湾ツアーで立ち寄るパンジー島。1600人の島民が暮らす水上の村。
パンガータウンの入口手前を右折して、パンガーベイリゾートそばの船着場から、船をチャーターしてパンジー島へ。両端にはマングローブの林がずっと続いている。数分も走るとはるかにパンジー島が見えてきた。この日は天気も悪く、パンガー名物の絶壁の奇岩に雲がかかって、まるで水墨画を見るような風景だ。途中、奇岩に3000年前に描かれたという、狩猟をする人の壁画を見た。今でさえ人が少ないのに、古代の人はどこから旅して来たのか、ちょっとしたロマンではないか。
約20分で島に到着。まだ建築途中だが金色に輝くモスク、水上に寄り添うように建てられた家々が見える。およそ1600人のイスラム教徒が暮らしている。400年前にインドネシアから3家族のイスラム教徒が移り住んだのが始まりらしい。島民は漁師で生計をたてていたが、40年ほど前にタイのロイヤルファミリーがこの島を訪問したことがきっかけとなって発展した。映画『007』でパンガー湾が注目を浴び、観光業に火がついて、現在は島民の80%が観光業に従事している。
家は高床式で海の上に建てられている。島の道はかつてはすべて木で組まれていたが、今はコンクリートの所が多い。家の前に土のない根がむき出しの植物が置かれていたり、鳥カゴが軒先に吊るされている家も多い。ネコも結構いる。
Panyee Islamd Phang nga Bay Thai 小学校には規格より小さいが2つのサッカー場がある。夕方から子どもも大人も練習に励んでいる。十分な環境ではないのに『パンジーFC』は 全国でも強豪チームだそう。偶然、子どもが蹴ったボールが海に飛び出したのを見た。子どもたちが歓声を上げると、近くを通りかかった船が拾ってくれて、近くま
で船を寄せて投げ返してくれた。船がいない場合はどうやってボールを拾うのだろう。
さて、島には2軒のバンガローがある。島の人はホームステイと呼んでいた。その通り、島の暮らし体験だ。ヤシで葺いた、小さな昔スタイルのバンガローには欧米人が滞在していた。この島には本土からケーブルで水道も通っている。携帯のアンテナもあるので、多少速度は遅いようだがWIFIも使える。そう聞けば『意外に便利だ』と思えるのだが、島には保健所はあるが、医者はいない。あのモスクもすべて人力作業で建築中。観光客相手の土産物屋はあるが、鍋やキッチン用品はおばあさんが、リヤカーを引いて売り歩いていた。島民専用のパンガー本土との連絡船は時間が不定期、20分の距離でありながら、2時間以上待つこともあるそうだ。
次第に近代化されながらも、不便と折り合いをつけて暮らしていくしかない島の暮らし。そんな生活に触れてみると、便利さばかりを追い求めずに、気楽に生きていくヒントがあるように思えた。
パンジー島周辺でもカヌーが楽しめる。常時船が停泊していて、カヌーがスタンバイしている。午前中はツアー客の姿もなく、とても静か。マングローブによって空気が浄化されるのか、朝のさわやかさは格別だ。引き潮のときならカヌーで洞窟探検もでパンジー島@パンガー湾 タイきるそう。豊かなパンガー湾の自然をまさに満喫だ。
(2013年7月取材)
島名
パンジー島(Panyee Island)
アクセス
パンガー湾各所に船着場があり。
アクティビティ
周辺でカヌー
宿泊施設
ジェームス・ボンドアイランド リゾート